ブロケアの重要性(その2)
健康体操(お口のリハビリ体操)について
お口の周りの筋肉を動かすことによって、だ液の分泌が促進され咀嚼、嚥下、発音などの機能の衰えを防止します。
また、脳への適度な刺激で顔の表情も豊かになります。脳血管障害で麻痺が起こったらリハビリするのと同じように、お口に麻痺があったら積極的にリハビリをして廃用性萎縮を防ぎましょう。
摂食嚥下障害
水や食べものがうまく飲み込めなかったり肺の方へいってしまうようになることを嚥下障害といい、広い意味で口から食べれなくなることを摂食嚥下障害といいます。
摂食嚥下障害がおこると...
- 食べる楽しみが奪われる
- 誤嚥性肺炎や窒息の危険性を招く
- 脱水症、低栄養になりやすい
摂食嚥下障害の症状とは...
- 食べ物が認知できない
- 食べ物を口にうまく取り込めず、食べ物をよくこぼす
- 痰がよくからむ、がらがら声になる
- 食事中によくむせたり、食後によく咳き込む
- 肺炎を繰り返す
口腔ケアでの誤嚥性肺炎の予防
誤嚥性肺炎とは、嚥下障害などにより、食べ物や口腔内細菌が肺に入ることで起こる肺炎です。
誤嚥性肺炎が発症すると熱、咳、痰の三兆候のみでなく、元気がなくなります。
高齢者肺炎の最大の発症原因は[誤嚥]で、69歳以下では誤嚥の関与を示唆する肺炎はわずか11%であったのに対し、70歳以上では60%に達すると報告されています。
口腔ケアを実施することで発症率が半減するといわれています。
NHKの「ためしてガッテン」でも取り上げられています。
詳しくはためしてガッテンのHP
緊急生放送! インフルエンザ最新対策をご覧ください。
口腔ケアによる誤嚥性肺炎の予防と、他の様々な効果
誤嚥性肺炎のメカニズムを考えたときにさまざまな口腔ケアの予防効果が期待できます。
1)器質的口腔ケアにより、口腔と咽頭の細菌数が減少する。
専門的口腔ケアを実施した場合としなかった場合の咽頭分総細菌数の変化
口腔ケアを実施した場合では、総細菌数は調査期間中減少し続け、
5ヶ月目には開始時の約10分の1となった。
2)継続した口腔ケアによって、要介護高齢者の嚥下するまでの時間が短縮し、
誤嚥の予防につながる。
嚥下機能に対する器質的口腔ケアの結果
口腔ケアによって嚥下反射を促す物質であるサブサタンスP(SP)の増加と嚥下するまでの時間(LTSR)の短縮が認められた。
3)機能的口腔ケアによって、舌や口唇などの口腔機能が改善し、食べる量が増え、
栄養状態の改善が図られる。これにより免疫の向上につながる。
老人施設では、潜在的に低栄養素(血清アルブミン値が3.5g/dl以下)の人が、30〜40%前後いるといわれています。その多くが口腔の機能に問題があることが、最近の研究で示唆されています。
介護予防の取り組みのひとつとして、歯科医師や歯科衛生士が、口腔機能の低下を起こしつつある人に対し、義歯を調整することなどにより口腔機能を引き出し、栄養状態が改善するということが、明らかになってきました。
血清アルブミンの推移
義歯でADLとQOLの向上を目指そう!
要介護者の入れ歯の状態
ほっておくと大変です!要介護者の入れ歯は不衛生です。
当院では以下の器具を使用して入れ歯を洗浄していきます。
NHKの「ためしてガッテン」でも取り上げられています。
詳しくはためしてガッテンのHP
脳と身体を刺激せよ!やる気の源は〇の裏にをご覧ください。
機能的清掃と化学的清掃について説明
義歯の効用
- お口の中を清潔に保つ
- 虫歯、歯周病の予防、治療
- 口腔機能の維持、回復
- 歯周病巣感染や誤嚥性肺炎の予防
- リハビリテーションによる嚥下障害の改善
- お口の健康回復によるQOLの向上
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